俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「伶士、余裕ないね」

「…るっせぇぇっ!」



本っ当に。

この敵だらけのカオス状態、どうしてくれる…!



イライラムカムカ。さっきからそればかり。

何でこんなにも腹立たしい?

しつこくムキになって…。

元はといえば、何で話を最後まで聞いてくれなかったなずなにだって、腹が立ってるぞ、俺は。

てめえ、ミートディスコの方が良いって言ってたくせに、裏を返せばそこらの女子の同じく可愛いチョコに飛び付きやがって。



それに、本当なら俺が先に誘われたのに…。

ヤツの隣にいるはずだったのは、俺なのに!



そう強く思って、カッとなった…が。



(…あれ?)



途端に、足の力がフッと抜ける。

膝がカクッとなってしまい、頭がフワッとして、体がフラッと揺れてしまう。



「え?!…伶士?だ、大丈夫?!」



フラッと揺れた体は、少しよろめいただけで済んだが。

そんな俺のよろめきに、美森がビックリして下から顔を覗き込んでくる。



え…今の、何?



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