俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「ちょっとちょっと!疲れてるの?…もう、伶士は体弱いんだから、しっかり!」

「………」



あの悪霊騒ぎの一件で、何も知らない周りの連中からは、俺は体弱いキャラになってるらしい(…)。

違うって。体は丈夫なんだよ!



…だけど、今の感覚に違和感を持ったのは言うまでもない。



本当に、違う。

体調不良の感覚では…ない。



何だ…?



(………)



怒りすぎ?

こんなに怒りに支配されるなんて、滅多にないから?

怒るって、エネルギー使うっていうし。



怒るのやめよう…。



そう自分に言い聞かせて落ち着かせる。

…思えば、嫉妬でこんなに怒るだなんて初めてのような気がするし。

冷静に考えたら、だっせぇよな…。



(………)



自分のダサさに、ずーんと落ち込む。



いけないいけない。

冷静になれ。



そう思って、呼吸を整えていたが。



「…キャー!」

「え?え?…大丈夫ですか?!」



列の後ろの方から悲鳴が聞こえる。

ざわざわと騒いでいるようだ。



「…何だ?」

「えー?だ、誰か倒れたみたい…」



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