俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
人が、倒れた…?



振り返ると、そこには人集りが出来ている。

近くにいた従業員も駆け付けて、「大丈夫ですか?大丈夫ですか?!」と、軽く騒ぎになっていた。

人集りのおかげで、倒れている人がどんななのかもわからない。



すると、今度は反対方向の化粧品売り場の方からもざわざわと騒いでいる様子が伺える。

制服姿の従業員が、その方向へ走っていくのが見えた。

「意識ないって!担架!担架!」

「医務室運んで!」



え?…そっちでも、人が倒れた?

こんな、一気に人が倒れる?



(え…)



自分の今の違和感を含めて、もう疑惑でしかない。



「はぁー。暖房効きすぎて逆上せてるのかなー?」



美森が隣で関心なく呟いている。



暖房…そうか?

暑いとは思わなかったが…。

空調のせいなのか?



でも、一斉に二人倒れて、俺も体の違和感を感じるなんて。



それとも、食中毒?こんな真冬に?

それとも、バイオテロ?



憶測を巡らせても、どれもピンとこずに。

違和感が拭いきれないでいる。


何なんだ…?


< 248 / 503 >

この作品をシェア

pagetop