俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「な、中に?!」
「霊圧が直に当たってるから、そのまま放置しておくと危険!」
「お、おう!わかった!…とりあえず、ほら、入れ」
イケボ男に中へ招かれる。
意識のない美森は軽々と抱き抱えられていた。
意識がまだ戻らないようだ。
何で、美森が…?
「美森…」
気にして、美森の顔を見るが。
「大丈夫。霊圧モロに当たって気を失ってるだけ。そのうち目を覚ます」
そう言って、イケボ男は美森を床に寝かせ、自分の着ているブルゾンを脱いで掛けた。
「霊圧…?」
妖気に当たったとか、そんなものに近いのだろうか。
「っつーか、おまえも一緒に霊圧にブチ当たってたけど?」
「え?」
「…この子、気を失ってんのに何でおまえさんはピンピンしてんの?…っていうか、おまえ何者?」
「何者って…」
質問の答えに困っていると、早い足音がこっちに向かってくる。
なずなが戻ってきた。
「夏輝くん、伶士は少し霊力あるんだ」
「は?少し?…一般人が気を失う勢いの霊圧ブチ当たって平気なんて、術者並みだろうよ」
「そんなことより…ヤバい」