俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
事実がはっきりと知らされ、愕然とする。

あんなに怒ってた俺、いったい何?

めちゃくちゃ後悔先に立たず。

これじゃあ、なずなの仕事を邪魔しにきたようなもんじゃねえかよ…。



ずーんと落ち込む。



そんな薄ら笑いを浮かべる人間不形態状態の魔族を前に、沈黙で立ち尽くしていたが。

イケボ男は、首を鳴らして肩を回している。



「…なず。こいつは俺に任せとけ。俺がやる」

「えぇっ!な、夏輝くんちょっと!」

「相手は魔族だから、弱らせたところを退魔調伏、だろ?弱らせるのは俺の得意分野だ。その後は好きなように術でも何でも使ってくれ。陰陽師さん?」

「手筈はそうだけど…」

「最近、こういうのから離れてっから体鈍ってんだよ。俺がやる。それに、その一般人二人、護れるのは陰陽術使えるおまえが適任だと思うけど?」



そう言って、彼は一歩前に出て、その魔族の姿を捉える。

あまりにも強引で、なずなが困るなんて…この男、どんだけ強気なんだ。



すると、その様子を見ていた魔族は、更に薄ら笑いをする。



《ハハハ!…人間ごときが何を》



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