俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~

すると、負けじとイケボ男も「わははは!」と不自然に笑って返す。

多少ムキになってる様子だ。



「人間ごときとナメてたら、血見るぞ?こう見えても俺達?二年前の修羅場乗り越えてますから?」



そう笑う彼こそが、不敵にナメてかかってるようにも見えるが…。

その証拠に、おぞましい恐竜コスプレ姿がニュートラルの姿である魔族とやらは、顔をしかめている。

本当に『人間ごときが』と心の底から思っているようで。



彼の挑発にまんまと乗ったのか、魔族は顔をしかめたまま、その刃の手をこちらに向けて静かにかざす。

すると突然、イケボ男の足元から炎が柱となってドンッ!と噴き出す。

瞬時のことだった、が。

それが来るのをわかっていたのか、イケボ男はひらりと素早く後方に退いて回避していた。



え…あの瞬発力とスピード。

並外れてる…!



まるで、俺の目の前で幾度かバトルを繰り広げた、なずなのように。

常人の反応ではない…!



この男こそ、何者?!

この場にいて平然としているのだから、俺と同じくこの事情を知ってる人だとは思っていたけど。


< 269 / 503 >

この作品をシェア

pagetop