俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「…Knight,…move on…」



腰を低く落として構える。

その構え…ボクシング?

指輪から放つ光が、やがて両方の拳を包み、輝く。



この人も、あのスーパーパワーを持つ人だったのか…!



「gandharva…sowaka!」



美しいイケメンボイスに反応し、大きくなって弾けたかのように、白い光は辺りを包み込み、視界を奪う。

光が落ち着いて、辺りを確認できるぐらい目が慣れた頃には…すでに、彼の姿はなかった。



いつの間にか、コスプレ魔族の懐に飛び込んでおり、左右ワンツーが顔面に炸裂。

しかし、尋常じゃない拳の重い音に思わず驚かされてしまう。

音の通り、殴られた魔族の顔は後方仰け反って吹っ飛んでいたが。

そこも手を緩めず、勢いのついた右ストレートが腹部ど真ん中に鈍い音をたてて炸裂し、魔族の体はだいぶ遠くへと吹っ飛び転がっていた。



「…女を殴る趣味はさらさらないけど、魔族は別だかんな?!」



すごい音とパワーだ!

あんなの、人間がくらったら死…!

一発で脳みそ飛び出るわ…!


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