俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「…そんなのもアリなの?」
「厳しい条件満たしてれば誰でもなれるんだ」
「………」
そんなアルバイトみたいな感覚でいいんですか…?
…しかし、その条件に日常じゃまずあり得ない事項が入っていることを、今の俺は知らない。
その契約を結ぶ条件が整うこと自体、かなり奇跡的なことであることも。
「夏輝くん…彼女が『神童』になったのは自分のせいだって、自分を責めてる。だから、代わりに自分が戦うって申し出たんだ…」
誰かのせいで、その『神の力』を得る。
だなんてこと、あるのか?
詳しい事情はよくわからないけど…。
愛する人のために、その…妖怪とかと戦う力、持てる?
《俺は…一生おまえを愛す》
そんなこと…出来るか?
現在、コスプレ魔族と交戦中である、彼、竜堂夏輝の姿を視界に入れる。
さすが、キックボクシングをやってるだけあって、拳の乱打に蹴りの連続という、まさにバトルアニメのような戦いが繰り広げられていた。
相手は炎の剣という刃物を振りかざして応戦しているが。
刃物相手にも動じず、その攻撃を回避したり、先ほどのように手で薙ぎ払ったりと、戦い方も強気の一言だ。