俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
…しかし、そんな質問が出来る雰囲気じゃない。
「…で、この事態はどういうことだ?魔族がヤツの羽根を吐き出すって…」
「…恐らく、さっきの魔族は、リグ・ヴェーダが魔界から連れてきた『仲間』だ」
「な、仲間?!」
竜堂が驚いた顔を見せた。
「たぶん、何匹か連れてきてると思う…。実は、最近の依頼で今回のと同じケース、前にもあったんだ」
「な、何だって?!」
「…昨年、『何者かが墓荒らししてる』っていう依頼を受けて、玲於奈と現場に向かった。そしたら魔族の仕業で、今みたいに退魔調伏に持っていこうとしたんだけど…今回と同じく、その魔族は急に黒翼を大量に吐き出して…」
「は?…その黒翼を吐くって何」
「リグ・ヴェーダの黒翼は、凝縮された妖気が込められている。それを魔族に与えることで、魔族そのものの妖気、魔力を高めるんだと思う。でも…その容量を越えると拒否反応が出るみたい」
「…で、その魔族はどうなったんだよ」
拒否反応?…だから、嘔吐するという形になるのか。