俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「…じゃあ、私、ちょっとクライアントに報告してくる」
そう言って、なずなは倉庫を出ていく。
すると、倉庫の向こうにはスーツ姿の男性が数人。
恐らく、この壱丸デパートの関係者だ。
扉を閉めたその向こうで、なずなとクライアントは話を始めている。
室内には、寝かされた美森と。
俺と竜堂だけ…。
「…なあ?」
なずながいなくなったのを見計らったのか、ヤツは急に話し掛けてくる。
ニヤーッと、なぜか怪しい笑顔で。
「な、なんすか…」
警戒しながら、相手の出方を伺うが。
「…おまえ、橘社長の息子なの?…ってか、頼智の弟?似てねえなー?」
「はっ?!…あ、兄貴?」
ニヤニヤと笑みを向けられながら、竜堂はうんうんと頷いている。
「俺、頼智とは友達なんだ?よろしく言っといて?」
「と、友達?!」
兄貴の…友達?
ビックリだ。
兄貴に、こんなタイプの友達がいたなんて。
「…兄貴とどこで知り合ったんですか?」
「あー…小笠原麗華の繋がり」
「えっ?!」
麗華さんの繋がりって…麗華さんとも知り合い?
ますますわからない。