俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
そして、翌日。
家に帰ると親父がすでに待っていて、着替えた後に共に車に乗り込んで出発する。
少し車を走らせて、到着したのは…すすきの?
すすきのの外れ、中島公園寄りの地域。
車が止まった場所は、大きめの更地だった。
車の窓から覗くと、更地の真ん中ではたくさんの人間によって、せかせかと準備が進められている。
テントが張られて、そこには祭壇が組んであり、お供え物が並んでいた。
車からその様子を眺めていると、横に座っている親父が話し始める。
「…今日の祭祀は、オガサワラリゾートが新たに建築するホテルだ」
「オガサワラリゾート?…麗華さんちの?」
「ああ。麗華自らが企画発案した女性専用のホテルなんだが…」
麗華さん…すごいな。
兄貴と同じ歳なのに、学生ながら親の会社とはいえ企画プレゼンが通るとは。
「地鎮祭って夜やるもんなの?」
何となく質問をしてみるが、親父はまた少し間を空けてから話し出す。
「…いや、だいたいは真っ昼間なんだが、施主の予定や意向もあるな。ただ…」
「ただ?」
「…今回はちょっと特殊でな?」
「特殊?」