俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「一仕事の後ですからー?美味しい美味しいお肉がいいなぁー?」
「………」
さっきの態度とはまるで違う。
高速デコ突つきをしていた般若のような形相はどこへ行った。
しかし、メシひとつ奢りで許してくれるんなら、そんな安いことはない。
てなわけで。
「にーく♪にーく♪」
「わかったわかった。こっち」
メシを奢ることになりました。
確か、壱丸デパートの最上階のレストランエリアに、ステーキ屋があったはず。
母さんと食べに行ったけど、悪くなかったような。
と、そこへ連れて行くことにした。
先ほどの倉庫裏口を出て、エスカレーターに乗る。
「美味いお肉じゃなきゃダメだぞ!ゴム草履みてえな豚カツだったら、またデコつんつんするからな!」
「豚カツじゃない。ステーキだ」
「わぁーお!」
肉のことになると、機嫌が良くなる。
やはり、ミートディスコかおまえは。
「…こっち」
「はぁーい!…はっ」
店の前まで来たとたん。
なずなが急に立ち止まった。