俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
すると、プレイバックしてしまった。
あの日の出来事を。
《本日のギャランティ、頂きました?》
《は…?ギャラ…》
《イケメンとの濃厚キス》
あ…。
…あああぁぁぁっ!
思い出してしまった!
あの時の…キスを。
意図のよく分からないキスを、思い出してしまった…!
途端に頭が真っ白になって、カーッと熱くなる。
再度振り掛かる、脳内糾叫カーニバルだ。
…思い出さないようにしてたのに!
思い出さないようにするため、道場に通って正拳突きしまくってたのにぃっ!
あああぁぁぁっ!
(やばい…)
…ヤバいぃぃっ!
頭がプスプスとしてきて、体がフワフワしてくる。
頭の中で、ぐるぐると回ってる。
回ってる…!
「何でそんなに放心してんだ?そんなにチョコ美味かった?」
「………」
「最後の一粒はやんねーよ?家でお紅茶入れて食うからな?いひひ…」
人の気も知らず、この小悪魔は…!
お紅茶言ってる場合か…!