俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
キッとヤツの顔を見る。
俺の心、こんなにも乱しやがって…!
しかし、その小悪魔なヤツは、チョコの入った箱を見て「えへへ…」と笑っていた。
悪そうな笑みではない。
かわいい照れ笑い…?
「男子からチョコ貰うなんて、初めて」
「………」
「ありがとー。今度お返しするわ」
やば…。
もう、重症なんだ俺。
この小悪魔に翻弄されて。
まんまとハマってる。
もう、ダメだ…。
かわいい…何だその顔。
俯いた顔は、まだ上げられず。
熱くなりすぎて、チリチリとしている。
こんな大魔王のような女なのに、かわいいと思えちゃうなんて。
ほんっと、重症。
嫉妬で我を失ったり、この恋心ってやつは、恐ろしい病のようなものだ。
この感情の蟻地獄。
でも、それは幸せへの軌跡で。
君がそこに居る、という真実だけで。
俺は、幸福…なんです。
きっと。
「あらー。仲良しね?二人ともー」
するとそこへ、いきなりの登場人物が現れて、更に驚かされる。
「か、母さんっ?!」
「お。奥様だ。久しぶりです」