俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
何で、こんなこと頑張らなあかんの…。
「おーっ。伶士おつかれ」
ため息をついて俯いていたところに、突然現れるその姿とその声に、ビクッと過剰に反応してしまう。
顔を上げると、そこにはいた。
俺にとっての本命である、ヤツが…。
「お、おつかれ…」
いつのどんな時も、こうして姿を見ることが出来たら嬉しくて、そんな感覚がくすぐったい。
の、ですが…。
「…それ、すごいな」
なずなの目線は、下に落としている。
その先は、俺の両手を塞ぐ、チョコが大量に入った紙袋だった。
うっ…気まずい。
なずなにだけは、どちらかと言えば見られたくなかった…。
他の女子から貰ったチョコなんて…。
「相変わらずモッテモテだなー?王子様」
「う、うるせえよ…」
「ロッカールームでぴえんの効果すごいなー」
「…うるせえよ!」
ったく、毎度お馴染みイジりに来たのか!
軽く残酷物語始まってるだろ!
俺がムキになるのを楽しんでいるのか、なずなは悪そうに「いひひ…」と笑っている。
ヤロウ。