俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「で、いくつ貰ったんだ?こんなにたくさん…」
おもいっきり冷やかしの態度でニヤニヤと、手にぶら下がった紙袋を興味津々に覗き込んでいる。
ちっ。見せ物じゃねえぞ。
「わっ。これ本命っぽくね?包み豪華…」
「見るな!」
「手紙入ってるよ?わぁお!ラブレター?」
「…だから見るなって!」
「みっちょのヤツどれ?どれだ?さっき来たろ?わーマジウケる」
「………」
…そう言えばさっき、集団の中にいたな。
「じゃあ…これも仲間入りさせて」
なずなが覗き込んでいる紙袋が、カサッと音をたてる。
何かと思って、チラッとみるが。
(………)
これ…。
紙袋内の溢れる寸前のチョコの上に。
中からひょこっと顔を出すように、ちょこんと乗っかっている。
小さな透明のギフト袋に入った。
茶色いお菓子…。
「じゃ、おつかれ」
「…ち、ちょっと待て!待て!」
立ち去ろうと、すでに背を向けているなずなを慌てて呼び止める。
だ、だって、これ!
バレンタインのチョコ…!