俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「冬休みっても、大会で明日から関東遠征あるんだ。冬休み前半はほぼ大会」

「おっ?例のテレビに出るヤツ?」

「………」

テレビに出るっていうか…。



「みっちょにいつやるか聞いとくわー。頑張れよー」

「…30日の11時。忘れんなよ?」

「お、そー。まあ頑張れー」



そう言って、なずなは俺に手を振りながら教室に入っていく。

まだ廊下にいるチカに「後で後頭部狙ってやるから覚えとけ!」と怒鳴っていた。

後頭部狙う?何やるんだ…?




まったく…。

…でも。



《頑張れよー》



ち、ちょっと…いや、だいぶ。

頑張ろうかな?ん、ん…。


でも、その一言が嬉しくて。

背を向け隠れて拳をグッと握る。

頑張るぞーよし!みたいな。




「…伶士、いつの間になずぽよと仲良くなってんの」

すると、背後からチカが再びやってきた。

いや、それは…。



「楽しそうに話してんじゃん。伶士がギャルと?珍し」

「いや…それより、チカ、何したんだよ。あいつめっちゃ怒ってたじゃねえか」

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