俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
その和気あいあいの光景をボーッと眺めていると、「…あ、伶士くん?!」と、咲哉さんが気付いてこっちに駆け寄ってきてくれた。
「ご、ごめんねっ!友達来ててさー!」
「あ、いえ!大丈夫です」
その様子を横目で見ながら、カウンター席に座る。
咲哉さんの友達か。
楽しそうだな。
「ドリンク用意するねー」
「あ、ありがとうございます」
そして、一人でスマホを開いて見ていたのだが。
「…よぉ!」
背後から急に首に手を回され、ずしっと背中が重くなる。
はっ?だ、誰…?!
ハッとして振り返ると、アルコールの匂いが鼻を掠めた。
背後の輩を確認すると、ギョッと驚かされる。
「よぉー!…恋するDK?」
ふふふ…と、悪そうな笑い声が耳にサクッと入ってきた。
な、何でこの人が…!
「その節はどーも?…まさかここで会えるとはな?」
「え、えと…」
「竜堂だよ。橘社長の息子?」
そうだった。
こいつ。
なずなの依頼に同伴していた、イケボな上の本当のイケメン。
竜堂…!
なぜここに!
そして、酒くさい。