俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~

すると、その様子に気付いた咲哉さんが慌ててカウンターから出てくる。


「ちょちょっ!な、夏輝、ほろ酔いだからってお客さんに絡まないで!そのお客さん大事な子!」

「わーってるよ。最近知り合ったのー」

「えっ?そうなの…?」

咲哉さんも驚いている。

まさか、俺達が一昨日知り合っているとは、思いもよらないだろう。



竜堂はニヤニヤしながら、白ワイン片手に俺の隣の席にどっかりと腰掛けてくる。

うわっ…素直に嫌だ。

嫌な予感しかしない。



「さぁー?社長の息子ー?」

「………」



肩をバシバシと叩かれる。

痛い。酔っ払い、手加減出来ないのか。



そんな酔っ払いに絡まれている俺。

冷や汗とため息しか出てこない…。

こいつ、めんどくさそう。



「さあ、語り合いましょうぜー?」

「な、何をですか…」

「そりゃあ、あれだよ。なずとの馴れ初めとか…」

「………」

馴れ初めって。

俺達、結婚したり、付き合ってるワケでもないんですが。

単なる俺の片思いなんですが…!




…こうして俺は。

忠晴が来るまでの約40分間。

絡まれ続けるのであった…。



忠晴、早く来て…。

ぴえん。



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