俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「あらー。たくさんあるわー」
母さんが飛び付いて、紙袋の中を見ている。
「食べたいの頂いてもいいですか?」
「好きなだけ食えば」
「ありがとう!」
母さん嬉しそう。
っていうか、あなたは愛しの旦那様にチョコをあげないのですか。
結婚すると、チョコをあげるのではなく、旦那の貰ってきたチョコを漁るというルーチンになるんだろうか。
その様子を不思議そうに見ていたが、そこで母さんは「あらーっ!」と一際高い声をあげる。
「これ、かわいいわー!…おペンちゃん柄の袋!手作りブラウニーだわ!」
…何っ!
それ、俺の身に覚えのある特徴のモノ?
まさかっ…!
少し近付いて、そのブツを確認するが。
やはり、それは。
(…うぉっ!)
ペン柄の袋に小さいブラウニー3つ。
まさしく、俺が本日一番の喜びのブツと、全く同じモノだった。
なぜ…!
すると、親父がスーツのジャケットを忠晴に手渡しながら話す。
「お、それ、なずながくれたんだ。さっき病院で会ってな?」
…えっ!
親父も、なずなから?!
しかも、全く同じモノ…!