俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
mission4 妖精の皮を被った獣の姫
夢に見る恐ろしい追憶
★★★
ーーーあの日、俺は。
人間という生き物は、別の生き物の皮を被って生きることもある。
そんなことを知った。
『ねえ、兄貴…どこ行くの?』
本当の自分を見せないようにしているのか、それが当たり前なのか、気付かないだけなのか。
もしくは…そんなつもりはなく。
周りが勝手にそう思っただけなのか。
『…伶士も中学生になったんだから、やることは経験しておかなきゃな?』
ホテルの綺麗に手入れされた廊下を、俺より少し前を歩く兄貴は、少し笑って見せる。
中等部に進学して数ヶ月経った初夏の頃。
放課後、突然兄貴に誘われる。
どこに行くの?
そう問うと、兄貴は『うーん…』と、言葉を探す。
『そうだなー。大人になりに行くって感じ?』
『は?』
よく分からないまま、言われるがままに着いていった場所は、とある駅前のホテルだった。
エントランスにて、北桜の制服を着た女子生徒二人と合流したのは、同じ中等部の三年生。
ーーーあの日、俺は。
人間という生き物は、別の生き物の皮を被って生きることもある。
そんなことを知った。
『ねえ、兄貴…どこ行くの?』
本当の自分を見せないようにしているのか、それが当たり前なのか、気付かないだけなのか。
もしくは…そんなつもりはなく。
周りが勝手にそう思っただけなのか。
『…伶士も中学生になったんだから、やることは経験しておかなきゃな?』
ホテルの綺麗に手入れされた廊下を、俺より少し前を歩く兄貴は、少し笑って見せる。
中等部に進学して数ヶ月経った初夏の頃。
放課後、突然兄貴に誘われる。
どこに行くの?
そう問うと、兄貴は『うーん…』と、言葉を探す。
『そうだなー。大人になりに行くって感じ?』
『は?』
よく分からないまま、言われるがままに着いていった場所は、とある駅前のホテルだった。
エントランスにて、北桜の制服を着た女子生徒二人と合流したのは、同じ中等部の三年生。