俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
『おーっ。頼智、早くね?こっちまだ終わってないんだけど』
ふんぞり返ったように座っている男は…兄貴と同学年の人だ。
兄貴と同じく『VIP』と呼ばれる高等部のセレブ軍団の一人。
しかし、衝撃だったのは。
彼の股に、その裸の女性が顔を埋めていた。
そして、その女性の後ろを覆い被さり腰を動かしているのが、もう一人の男性。この人も兄貴と同じくVIPの一人だ。
写真や動画でしか見たことがなかった、そのいわゆる情事の模様を、実際に見てしまった。
電気が身体中を駆け巡り、神経を支配をされた感覚に陥る。
『あははごめーん。だってこれから大事な弟をお願いするんだもん。張り切って来ちゃった!…沙羅、頼むよー!』
すると、女性は男の股から顔を上げる。
『ええ、わかったわ。申し訳ないけど終わるまで待っててね?』
そう言って、ゆっくりとこっちを見る。
その大きく円らで、光の灯った瞳で。
『伶士、すぐ終わるからそこで待っててね?』
そして、男の体の動きと共に、また妖艶な声を口から漏らしていた。