俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~

待って待って兄貴待って…!



兄貴は、その女子二人とベッドルームでいったい何をするのか。

それはもう、わかりきったことだった。



(ど、どうしよう…)



その場に取り残された俺は、ベッドの上で激しく絡み合っている男女三人の情事の模様を、一人鑑賞する羽目となる。

こんなところにいるだけで、ただただ罪悪感でいっぱいだった。



しかし。



『あっ…はあぁっ…あぁんっ』



何故か、そこから目を離すことが出来ず。



沙羅先輩の白くて綺麗な身体を、貪るように激しく舐め回し、口を付ける男達。

まるで、上質の獲物を食い散らかすかのように。

それに反応して、沙羅先輩は高く透き通った艶っぽい声をあげる。



二人の男が、一人の美しい妖精を凌辱している様子、といっても過言ではない、心が痛む光景…。

…凌辱?



『はぁっ…もっと…もっとしてぇ…』



沙羅先輩は…喜んでいる。

それを凌辱と言うべきか?

いや、凌辱されるのを喜んでいるんだ。



これは、とんだ妖精だ。

まるで、獣…。



(………)



…しかし、それは。

見ている俺の思考や神経を麻痺させるには、十二分だった。



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