俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
しかし、むーは了承する様子がない。
しまいには、しつこいチカに「あほ!」と、一喝する。
「えー。えー。何でよー」
「…えぇい!ダメといったらダメなのよ!」
声を張り上げており、あまりのしつこさにムキになっていた。
「毎日部活部活…デートする暇ないだろがい!毎日部活だったら、ギャルメイク、汗でギトギトになるだろがい!」
「…デート?…メイク?」
「おぉ、そーよ!毎日毎日放課後ジャージでよ!メイクは汗だくでソッコーパンダだわ!散々日焼けもしちまってよ!マネ辞めても冬になっても色戻んねー!白肌ならねー!」
「ほぉ」
「『サッカー部でしょー?部員食い散らかし放題じゃん!』言われるけどな?…ちゃうわ!サッカー部のマネなんか、色気のカケラもねえ、獣のような部員のオカン、オカンだわ!」
「………」
むーのよくわからない言い分に。
辺りは一瞬、静まり返った。
デートにメイク、日焼け…。
まあ、ギャルらしい言い分っちゃ、そうだが。
すると、今度はこのヤツが口を開く。
「…っつーか、デートったっておまえ、クリスマス前にカレシにフラれてるじゃん」
「…うるさいわなずぽおめえぇっ!」