俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「…あー。でも、川村はなかなかお出来になるやつ。見た目あんなんでもそこは心配ないと思うけど」
むーと同じ中学で、同じサッカー部にいた輝樹が、唐揚げを箸でつまみながらそう答えていた。
説得力あるな。
「むーは昔からギャルなのか?」
ギャル好きで、よくあいつらと一緒にいるチカが興味津々に輝樹に尋ねる。
「あいつんちの母さん、派手なんだよ。恐らく元ギャル?だから、川村も昔からその気はあった」
輝樹はむーについてそう話した後、「えっと…」と言葉を探す。
「…あ、えと、鈴代か今は。鈴代も気付いたらギャルだったぞ。二人ともギャルだし美人だからさ、不良連中からは人気でさ」
「うぉー。そんな感じ」
「なずぽよはどんな不良と付き合ってたの?」
美森がスマホをいじりながら、その話を輝樹に振るが、その名前が出てくると、ドキッとせずにはいられない。
なずなの付き合っていた男…。
話題はあんまり気分が良いものではないが、知りたいような気もする。
「あ、あぁ…」
すると、輝樹はブッと吹き出してニヤニヤとしている。
思い出し笑い?