俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「え?何なに?」
「面白い話?」
そのリアクションに周りも興味を引き付けられる。
輝樹はうんうんと頷いていた。
「中三の夏かな。…あいつの元カレ、俺達の界隈じゃ札付きのワルだったんだけど」
「おー!不良か!」
「顔が、顔面凶器みてえなやつなの。やべえ…」
「………」
輝樹は思い出し笑いが止まらないようだ。
その顔面凶器を思い出してしまったからだろうか。
顔面凶器?!
どのくらい、凶器なの?!
笑っちまうぐらいだから、相当ヤバいんだろう。
見たいような…!
「輝樹、輝樹!写真ねえの?その顔面凶器!うわぁー!見てえー!」
チカは盛り上がってしまった。
隣にいる輝樹のスマホを指差している。
「俺は持ってねえけど…あ、姉ちゃんなら顔面凶器と同い年だからあるかも」
「姉ちゃんに頼んでくれえぇぇ!見てえぇっ!」
「わかったわかった。…俺も久々に見てえし?」
そう言って、輝樹はスマホをいじり出す。
姉ちゃんにLINE?
輝樹、俺も見たいな。
届いたら見せてね。
だなんて。