俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
そんな面白い話で盛り上がった唐揚げ食べ放題の会。
気付けばもう夜の7時になる時間だった。
本日はそこで解散。
「じゃあ、また明日!おつー」
「伶士、帰りは?地下鉄?」
「うん。駅からはお迎えだけど」
「今度、伶士んち行こーぜ!大豪邸見てみてえー!」
「うん、わかった」
…まさか、こんな家に来いとか言い合える日が来るとは思わなかった。
帰る方向の違うみんなとは、すすきのの36号線沿いで手を振って別れる。
…さて。俺も地下鉄の改札に向かおう。
そう思って、交差点で信号待ちをする。
と、思ったが。
2月の真冬。辺りは一面、白銀の雪景色。
路面は白く凍りついて滑りやすく、歩くにも命がけ。
寒さで体がぶるっと震えたと思ったら、空から雪がハラハラと降ってきた。
ヤバい。寒い。
やっぱ地下街通って改札に行こう。
そう思ってて地下街への入り口へと引き返そうとした。
その時だった。
(……ん?)
思わず足を止める。
今…何を?