俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「えっ…!」
思わず声をあげてしまった。
まさか、こんなところで会えると思わない。
突然の遭遇に、心臓が跳ね上がるような感覚だ。
何で、こんなところに…!
「な、なずなっ…」
俺の前には、あの、すきな人。
いつもの巻き髪に、ギャルメイク。
赤いダッフルコートに、ヒョウ柄のマフラーを着けていて、足元はベージュのムートンブーツと。
ザ・雪国のギャルの格好をした。
なずながいる…!
なずなも俺との遭遇に驚いたのか、目を見開いてビックリ顔になっていた。
「って、ここで何してんの。ここ、すすきのだぞ」
「いや、みんなで唐揚げ食べてきて…」
「唐揚げ?…いいないいな!ひょっとして『キタザンギ』?!」
「あ、うん…」
「いいないいなー!食べてー!ちきしょー!いいな伶士は、ザンギ食って!」
「…おまえ、鶏肉もイケんの?」
「ザンギはうまーだから、アリ!」
いいないいな!と、なずなは一人でぶーぶー文句を言い始めた。
なぜ、文句を言われる…!
じゃあ、行くか?
と、言いたいところだが。