俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
mission2 ライアーマドンナの口実
悪夢はもう悪夢じゃない
★★★
ーーー過去の悪夢は、もう悪夢じゃない。
『…あっ!橘頼智さんだ!』
『え?…あ、ホント!何で?何で中等部の校舎に来てるの?!』
女子生徒が突然歓声をあげる。
兄貴の名前を耳にして、思わず身を隠してしまった。
…あれは、昨年の10月頃だろうか。
俺がまだ北桜学園の中等部にいる時。
仲間と食事会でホテルのレストランに行った際、偶然にも…兄貴と薫に鉢合わせてしまった直後のことだった。
陽も沈みかけた夕方。
授業も終わり、校舎の正面玄関で忠晴の迎えを待っていた時のこと。
隣のキャンパスの大学生である兄貴が、何故かこの中等部の校舎に登場した。
学園の有名人である兄貴が登場すると、とたんに中等部の生徒は騒ぎ出す。
みんな羨望の眼差しを向け、歓声をあげていた。
…俺は、先日の薫の件もあり、兄貴とは顔を合わせづらい。
というか、兄貴とはまともに口を聞いていない。
兄貴はいつも帰りが午前様だし、薫の件もある。
何で、中等部の校舎に来てるんだよ。
…だなんて、理由はわかってるけど。
ーーー過去の悪夢は、もう悪夢じゃない。
『…あっ!橘頼智さんだ!』
『え?…あ、ホント!何で?何で中等部の校舎に来てるの?!』
女子生徒が突然歓声をあげる。
兄貴の名前を耳にして、思わず身を隠してしまった。
…あれは、昨年の10月頃だろうか。
俺がまだ北桜学園の中等部にいる時。
仲間と食事会でホテルのレストランに行った際、偶然にも…兄貴と薫に鉢合わせてしまった直後のことだった。
陽も沈みかけた夕方。
授業も終わり、校舎の正面玄関で忠晴の迎えを待っていた時のこと。
隣のキャンパスの大学生である兄貴が、何故かこの中等部の校舎に登場した。
学園の有名人である兄貴が登場すると、とたんに中等部の生徒は騒ぎ出す。
みんな羨望の眼差しを向け、歓声をあげていた。
…俺は、先日の薫の件もあり、兄貴とは顔を合わせづらい。
というか、兄貴とはまともに口を聞いていない。
兄貴はいつも帰りが午前様だし、薫の件もある。
何で、中等部の校舎に来てるんだよ。
…だなんて、理由はわかってるけど。