俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「…おまえは?」
「あぁ?」
「おまえはここで何してんの」
まさかとは思うが、その予定を聞いてみる。
「私?…依頼」
やはり…。
すすきのでの依頼も結構あるって言ってたもんな。
でも、制服だけど大丈夫なの?とも思いながら。
「そう。ちょうどこのビルなんだ」
そう言って、なずなが指差したのは。
目の前にある、第五ハルニレビルだった。
「…ここ?」
「うん。ここの四階にあるスナック。ここのママ、前にも依頼してくれたんだけど」
「へぇ」
相手はスナックのママか。
どんな内容の仕事なのか。興味がない…と言ったら、嘘になる。
すると、なずなは「じゃ、おつかれ」と、手を上げてビルに入っていく。
って、おいおい。
去るの突然すぎね?
もっと話をしてだな…って、それは片思いしている俺の願望に過ぎないのだけど。
(………)
何となく、その後を追ってみる。
なずなの後ろに続いて、そのビルへと身を進めた。
すると、なずなが立ち止まる。
「………」