俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~

バッと振り返って、しばらく俺を見ていた。



「…どうした?」

「え?」



上から下まで全身舐め回すようにジロッと見られる。

多少威嚇されている感がありますけど。



「………」



無言でしばらく見つめられた後、なずなは再び前を向き、足を進める。

エレベーターの方へと向かっていた。



(………)



俺も、何故か。

後を着いて行ってしまう。



何でか。

なずなの後ろを着いて行こうと、思ってしまったのだ。



すると、足音に気付いたのか、今度は勢い良くバッと振り返ってきた。

またまた俺の顔をジロッと見る。

不信感たっぷりで。



「…何で、着いてきてんの?」

「いや。いやいや」

「…いやいやって何?」

「いや。お仕事見学しよっかな?と思って」

「はぁ?!」



俺の返答に、眉間にシワをグッと寄せる。

面白くない思いをしている顔だ…!



「お仕事見学?!…こっちは遊びでやってんじゃねえの!…帰れ帰れ!」



しっ!と、手で払い除けられる。

向こう行け!と、言わんばかりに。


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