俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
しかし、今回は俺もめげない。
何故だろうか。
「いや。ちょっとだけだから。一緒に行く」
「はあぁ?!」
なずなのお仕事、ちょっと一緒に行きたい。
そんな気分になってしまったのだ。
まあ、先の件では…俺はクライアント側だったけど。
逆側の視点も興味ある。
でも、一番の理由は。
今、もうちょい一緒にいたい。
そんな、単純な理由だった。
しかし、そんな俺の要望を快く了解するワケがない。
遊びではなく、これは仕事。
そんなお仕事見学なんぞ、ふざけたことを言い出す俺に、なずなは一層の苛立ちを向ける。
「…素人が来ても危ないだけ!もし万が一伶士の身に何かあったら、私減俸だよ!ダメ!ダメ!…減俸イヤぁぁ…」
ここで、急にずーんと落ち込んでるぞ。
このくだり、久々だ。
「危なくなったら勝手に逃げて帰るから。ちょっとだけ。一緒に行かせて」
「ちょっとだけ?!…ちょっとってどの程度よ!ちょっとだけよー?で、どうにかなる問題?!ねえ?ねえ!」