俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「それに、何かあったら護ってくれるだろ。なずななら」

「まあーっ図々しい!…護りきれなかった万が一のことを言ってんの!…何でおまえ今限定で、そんな強気でこの私に歯向かってんの?!…ねえ!」

すると、そこでポーンと音が鳴り、エレベーターのドアがガバッと開いた。

「あ、エレベーター来た。行くぞ」

「は、はあぁ?!『行くぞ』って張り切ってんじゃねえや!…あ、ちょっと!伶士ぃぃっ!」

さっさとエレベーターの中に身を進めてしまった俺の後を、しぶしぶと着いてくる。

ドアは閉まり、エレベーターが上昇した。



「どういうこと、おまえ…?」

「まあ気にしないでくれ。今回の俺は陰陽師の助手ということで」

「…助手?おまえに何が出来るんじゃ!気にしないでくれって、まぁーっ!すましちゃって!」



陰陽師の助手…俺も思いきったこと言ってくれるな?

何の力も持たない、ただのお坊っちゃまなのに。



どんだけ拒否られても、ツラッとこいてエレベーターに乗っちゃう俺に。

なずなは「はあぁぁ…」と、しぶしぶモードのため息をついた。


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