俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「ったく、しゃーねーな。…長丁場になりそうなら絶対帰れよな」
「はいはい」
「知らねえぞ?知らねえぞったら知らねえぞ!」
「大丈夫大丈夫」
大丈夫、だなんて。
俺もいつになく思いきったことを言うな。
ボディガード契約は終わってんのに、護ってくれるだろ?って…ホント、図々しいわ。
それほどまで、強引に。
そこまでして、一緒にいたかっただけなんだろうか。
こんな積極的に出るだなんて、ホント思いきってるよな、俺。
「…で、今回はどんな依頼」
「おまえ…ホントに助手ぶりやがって。偉っそうに!」
「ははは」
そして、エレベーターの中で。
その依頼の内容を打ち明ける。
「…今回は、このビルの四階にある《オデット》っていうスナックのママからの依頼。…前にも依頼してくれた人なんだけど」
「ほぉ」
「その時の依頼ってのが、店内で突然、物が独りでにとっ散らかったりする、ポルターガイストが出現。他、カラオケのマイクの音量が急に大きくなるわ、お客さんに不気味がられちゃって、調査をすることに」