俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
すると、薄暗い店内のカウンターの奥から「はいはーい!」と、女性の声がした。

足音と共に現れたのは、派手目のピンクのスーツをピシッと着た、メイクの濃いおばちゃんだ。



現したその姿に、なずなはペコリと頭を下げる。

おばちゃんも「ああぁぁ!待ってたわぁぁ!待ってたわぁぁ陰陽師のお嬢さんっっ!」と、歓迎のあまり興奮している様子だった。




そんな興奮冷めやらぬおばちゃんママからの話が早速始まる。

なずなもタブレットを片手に、カウンターの椅子に腰掛けた。

俺は助手らしく、陰陽師さまの背後に起立。



おばちゃんママの話によると。

なずなが浄霊をしてからここ一年、何事もなく経過していたのだが。

ここ三日ほど、霊的現象がちらほら続いたのだ。



「音が!…音がすごいのよー!パキッって、木の割れるような音!…これ、前にもあったでしょ?パキッって!パキッパキッって!」

「ふーん…そうですか」

「で、ホントに割れちゃってるのよー!木が!」

「へ?」


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