俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
思った疑問をすぐに口にしてしまったが。
なずなに「そこなんだ!」と、返答される。
「…この傷の障気から読み取れるのは、魔力」
「魔力?」
聞き慣れないワードが飛び出した。
魔力って…?
「恐らく、このビルのどこかで『魔力』が放出されてるんだ。…これは、その流れ弾みたいなもの」
「このビルのどこかでって…」
つまりは、だ。
このビルのどこかで。
ここではないどこかで、その『魔力』とやらを放出する何かが起きている。
と、いうことか。
「…その『魔力』が放出されている場所を見つけないと、この現象は解決しない」
そう言って、なずなはカウンターに置いといたタブレットを手に取り、椅子に置いてあったリュックを背負う。
「じゃあ…」
「引き続き、調査する必要がある」
…どうやら。
俺の陰陽師の助手業は、まだまだ終わらなさそうだ。
って、何もしてませんけど。