俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「…寒っ!」
空港の到着ロビーで解散し、それぞれ帰路に着く…のは、良いのだが。
一斉に外に出た途端、そこは真冬の景色だった。
雪は積もり、寒風は吹き荒れるわ。
横なぶりの吹雪…。
白銀の世界…。
東京帰りの部員たちが次々と「寒っ!」とあちらこちらで声をあげる。
確かに、気温差もありすぎるし、降り立ったら別世界だ。
本日は1月6日、金曜日。
年末の関東遠征を経て、全国大会に挑み。
ベスト8を賭けた試合に、昨日敗退。
今日は朝からちょっと観光して、最終便で北海道に帰ってきた。
ちなみに、観光はスカイツリーと浅草。
「じゃあ伶士お疲れー!」
「っていうか、伶士迎え来てんの?」
颯太と美森と手を振って別れようとしたが。
しっかり者の颯太は、俺の帰路は大丈夫なのか尋ねてくる。
「あ、親が迎えに来てる。こっちの方にいるみたい」
「そっち?国際線の方だろ。ちょっと遠いところに停めちゃったんだな?」
「そうだな…」
いえ。
迎えに来てるのは、執事で。
駐車場ではなく、こっちのすぐ裏に無理矢理横付けしてるのです…車を。