俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~




「…寒っ!」



空港の到着ロビーで解散し、それぞれ帰路に着く…のは、良いのだが。

一斉に外に出た途端、そこは真冬の景色だった。

雪は積もり、寒風は吹き荒れるわ。

横なぶりの吹雪…。

白銀の世界…。



東京帰りの部員たちが次々と「寒っ!」とあちらこちらで声をあげる。

確かに、気温差もありすぎるし、降り立ったら別世界だ。




本日は1月6日、金曜日。

年末の関東遠征を経て、全国大会に挑み。

ベスト8を賭けた試合に、昨日敗退。

今日は朝からちょっと観光して、最終便で北海道に帰ってきた。

ちなみに、観光はスカイツリーと浅草。




「じゃあ伶士お疲れー!」

「っていうか、伶士迎え来てんの?」


颯太と美森と手を振って別れようとしたが。

しっかり者の颯太は、俺の帰路は大丈夫なのか尋ねてくる。


「あ、親が迎えに来てる。こっちの方にいるみたい」

「そっち?国際線の方だろ。ちょっと遠いところに停めちゃったんだな?」

「そうだな…」

いえ。

迎えに来てるのは、執事で。

駐車場ではなく、こっちのすぐ裏に無理矢理横付けしてるのです…車を。



< 41 / 503 >

この作品をシェア

pagetop