俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
…だなんていうことは、俺が金持ち御曹司であることを知らないみんなには言えず。

曖昧に濁して、誤魔化して笑う。



「じゃ、気を付けて帰れよ?親戚の新年会?落ち着いたら遊びに行こうぜー?連絡するわ」

「わかった」

「じゃあお疲れ!」

「お疲れ!」



颯太と手を振って別れる。

そんな颯太らを見送って、俺も再びカバンをかけ直し、キャリーケースの取っ手を握る。



「忠晴迎えに来てんの?」

「…わっ!」



ビックリした。

この人、いつも背後取ってくる。



振り返ると、俺の幼なじみがそこにいた。

いつものポーカーフェイスで、俺をじっと見ている。



「ちょっと瞳真くん、後ろから急に話しかけないで」

「わりわり。で、忠晴いんの?」

「うん、いる。これから新年会で真っ直ぐニセコに行くんだ。じいちゃんも来てる」

「へー。東京からわざわざ」

「瞳真くんは?柊斗さん迎えに来てるの?」

「いや。親父も母ちゃんも仕事だから。帰りは星月んちの車」

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