俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「…おまえっ!」
今ので逆上したのか、長身スーツ姿は今度は俺に標的を変えて掴みかかってくる。
…が、襟を取られるような事はさせず、手首を狙って外側に振り払って落とす。
その際、ボディがら空きとなり、そこ目掛けて腰を落として、渾身の右ストレートを放つ。
「…ふぐっ!」
いとも簡単にキマり、変なうめき声をあげて、長身スーツ姿は膝を付いた。
これ、正当防衛っすよね。
「…はっ!斎藤さんっ!」
「…やんのかガキコラァ!」
長身スーツ姿斎藤さんが俺に一発かまされたのに、今度はギャラリーが逆上。
俺に対して、次々と威嚇、恫喝の声を向ける。
…相手は六人。
手早く急所を突いて、さっさと片付ける。
顔面、顎、鳩尾、ボディど真ん中に、膝、大腿…狙ってけ。
一斉に囲まれ今や今やと攻撃しかねない連中を、警戒しながら構える。
「伶士!…何やってんだ!」
なずなの諌めようとする声が耳にサクッと入るが、それもまたイラッとさせられる。