俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
何が何だかよくわからず、ボーッと突っ立っていた俺だが。
木嶋さんに「ボクも来る?」なんて、声を掛けられ、ビクッとしながらも「はい…」と、なずなの後を追った。
「お嬢のカレシ?」
木嶋さんは、なずなにこそっと耳打ちする。
来た。またその質問か。
答えはやはり…。
「ちげーよ。学校の人」
やはり…。
学校の人、だなんてざっくり最高潮みたいな。
さりげに残酷物語…。
「へぇー。こんなレベル高いイケメン、ゲットしとかにゃJK生活も薔薇色なんじゃねえの?げーのーじんみたいなイケメンだろ」
「私の事はいいから、状況を説明しろ」
「へいへい」
さりげにスルーされるのも、いと残酷なり。
そして、木嶋さんの話を聞くことになる。
「…弓削先生が、ちょっとデカイ取引先を見つけたみたいでさ?」
「取引先?」
そもそも弓削先生とは誰。
きょとんとしている俺に気付いたのか、なずなが情報を付け足してくれる。
「弓削先生は、魔術師なんだ。朱雀会御抱えの。木嶋んとこの組長お気に入りでさ」
「魔術師?!」