俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「まあまあそうリアクションすんなって」
「…バカヤロー!またか!…ようするに、魔族に人間献上するんだろ!それは御法度だって言ってるだろ!」
「それは弓削先生に言ってくれよ。…まあ?俺達反社会的勢力ですから?」
「ったく、弓削先生、魔術師としての腕は立派なのに…警察にバレたらお手入れ入るぞ!条例違反だぞ!何回目だよ!」
人身売買、魔族に人間献上?
御法度、条例違反?
いまいちピンとこないで、首を傾げている俺に、なずなはまた説明してくれる。
「…これが、魔術師・弓削劉人(りゅうと)の最大の収入源…『魔族との人身売買』」
「人間が…魔族と人身売買?」
俺の知ってる魔族とは…あれ。先週のチョコレートディスコでお見掛けした、恐竜のコスプレをしたような風貌の御方。
なんだけど…。
あれと、人身売買?
「魔族は、人間を食べる。私達人間でいう…A5ランクステーキやら、白トリュフとかキャビアとかフォアグラみてえなもん。魔族にとっては最大のご馳走だ。脳ミソも骨も血も肉も、魔族にとっては最高に美味いらしい」
「………」
ゾッとする。
骨まで美味いとか…。