俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~

「弓削先生が朱雀会のヤクザとつるんでやってる商売のひとつってのが、これ。まずお金に困ってるこっちの人間に、『金はいくらでもやるから人間一人よこせ』と。そして、頂いた人間を魔族を召喚して献上。引き換えに魔族からは『金』をもらう」

「金?」

って、あの金?

延べ棒とかにされている、金?



なずなは頷く。



「…魔族の住む『魔界』には、金がゴロゴロ小石のように落ちている。驚くことに、その魔界の金は、こっちの世界でも通用する、使える金なんだ。魔界には金銭貨幣の流通はなく、魔族にとって、金は本当にただの石コロ同然。取引は成立するんだ」



そうか。

ヤクザと弓削先生とやらは、まずこっちのお金に困ってる人間と、お金・献上する人間の受け渡しを行う。

で、人間ゲットしたら、魔族に献上して、見返りに金をもらう。

そして、こっちの世界で、その金を換金するといった流れなのか。



(………)



すげえビジネスだ…。

あの、恐竜コスプレ相手に、億・兆の取引をするってことだろ…。

しかも、反社会的勢力の資金源とは。



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