俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
ドアに向かっているその道のりでは。
「うっ…ううっ…」
「ああぁぁ…」
足元からうめき声が聞こえる。
それも、そのはず。
ドアの付近には、人が倒れている。
一人じゃない。
男性が何人も何人も!
壁にもたれかかって具合悪そうにしていたり、完全に気絶して倒れているのもいる。
床に這いつくばって倒れており、ピクピクと僅かに動いているのもいた。
男性といっても、多種多様で。
さっきのいかにも反社みたいなスーツ姿や、ジャージ姿のもいれば。
俺より少し上の大学生風の若者も、なぜか上半身裸で倒れている。
…え?そこにいるの、おじいちゃん?
白ブリーフ姿のおじいちゃんまで…!
何なんだ。この戦時中の負傷した兵士のような連中は。
しかし、木嶋さんは肝心なこの部分には触れてくれない。
なずなも気付いているのか、この状況を静観しながら木嶋さんの後に着いていってる状態。
「これ、まさか…」
なずながそう呟くと、「…そのまさかだ!」と、被せてせっかちに答える木嶋さん。
はあぁぁ…と、深くため息をついていた。