俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
空港のターミナルや駐車場を回る巡回バスの隣に、堂々と停まっている黒塗りの高級車…。

人目のつかないところで待ってて、となるとこうなるか…。



「お疲れさまです。道中長いですがもうしばらくの辛抱ですよ」

「うん。忠晴も運転気をつけて」



忠晴の車は発進する頃には、時計は夜中の10時を回っていた。

新千歳空港から家までは一時間半で到着するのだけど。

本日は自宅へは戻らず。

家族親戚の待つ、ニセコ町へと向かう。ここからは二時間ちょっとかかる。



何をするのかというと…新年会。

橘家、毎年恒例の新年会。

ニセコの高級ホテル、ほぼひとつ貸し切り状態。

そんなに親戚いるの?と、突っ込まれそうだが、いやいや、それは違う。



一族の新年会を兼ねた、じいちゃん主催のお友達もご招待しちゃう大きなパーティー。



明日の土曜日にパーティーは開催。

北海道内だけではなく、全国からこぞってじいちゃんや親父の知り合いが集合し、宿泊も兼ねて、ホテル内の大きなホールで、パーティーをやっちゃう。

現在、拠点を東京に移しているじいちゃんもこの日のために北海道にやってくる。

ニセコの高級リゾートホテルで酒飲んで食って一泊。

金持ちの極みだ。


そのパーティーのため、俺達親戚のみ前のりでそのホテルに宿泊。

親父も母さんも兄貴も、もうホテルにいて飲み会やってると思う。

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