俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~

しかし、目をパッと合わすのみで、余計な会話はせず。

魔法陣をあちこちくまなく凝視していた。



その光景、すごい複雑…。

ベッドには俺と関係を持っていた沙羅先輩。

その周りには、気絶してゴロゴロと転がっている全裸の男ども。

調査のために、その中に躊躇なく姿を置く、現在俺のすきな人。

誠に嫌な組み合わせだ…。

複雑だ…!

って、調査に必死とはいえ、傍にいる全裸の男にノーリアクションなのも複雑…!

しまいには「…この男、邪魔!どかして!」と、要請している。

モノ扱い?複雑…。



そして、一通り調べたのか、こっちに戻ってくる。



「…あんま魔術に詳しくないから、何とも言えないけどさ。恐らく色情魔の魔力増幅の魔法陣だ」



その結果をこちらで述べるが…。

…俺をはじめ、木嶋さんまで首を傾げる。



「は?インキュバス?」

「性衝動を刺激する悪魔の事。エロい悪魔なんだ、これが。好みの人間に憑いて、エローい気持ちにさせて、異性、情事に依存させる。そこから対人関係、金銭関係のトラブルを起こす、ちょっとやっかいなヤツ。まあポピュラーな案件で、この手の依頼は多いんだ」


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