俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
その手当たり次第の男子生徒には、俺も含まれています…。
しかし、先生とも?
VIPやその縁の生徒とは、っていうのは知ってたけど。
そこまで…!
常に柔らかい笑顔を見せて、妖精のような美貌、格が違う凛とした立ち振舞いを持ち。
その姿は神々しく、学園の生徒から羨望の眼差しを浴びていた、沙羅先輩。
…だが、沙羅先輩を抱いた男なら、わかる。
彼女は…獣だ。
ベッドの上で男を喰らう、獣。
妖精の皮を被った、美しい獣なのだ。
しかし、まさか。
こんなカタチで再会するとは思わなかった。
そして、今も。
魔法陣の上で男を喰らい、魔力を高めている。
でも、それが…不思議と、不自然だとは思わなかった。
…いや、待てよ?
冷静に考えるが。
先ほどの話からいくと…魔族に献上されるのは。
沙羅先輩なのか…?
「…で、会社が不当たりを起こしたとたん、寵愛していた娘をいとも簡単に手放す…か。大人ってやること勝手だな」
「不当たりの原因は、役員成り立てホヤホヤの息子のミスだ。やはり、情より血縁ってか?」
やはり…そうなのか。