俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~


「そんな…そんな、自分の意思がないままでいいのか?」



絶句させられたにも関わらず、まだ問いかけを試みる。

しかし…。



「え?これが自分の意思なんです」



…逆に、返り討ちに合うのだ。



頑固とかそういう域ではない。

恐らく、そういう人なんだと思う。




「…自分の意思?!…そんなわけっ」



なずなが何かを言いかけた、その時。



(…えっ!)



部屋全体に、ドンッ!と目に見えない圧がのし掛かる。

まるで、何か大きいものが落ちてきたかのように。

体にもピリッとした衝撃と、何かが乗っかってきたかのよくに、重力が増す。

それを感じたのは、俺だけではない。



「はっ!か、体が急に重くなったでやんす!あぁっ!」

「な、何だこりゃ!」

「…あっ!」



途端に、沙羅先輩のいるベッド下の魔法陣がバリバリと音を立てて、光り始めた。

電光を放っており、それはもう今までの比ではない。



「…ちっ」



その電光から逃れるように、なずなはそこから一歩退く。

体に掛かる圧を感じているのか、体勢が低くなっていた。


< 460 / 503 >

この作品をシェア

pagetop