俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「そんな…そんな、自分の意思がないままでいいのか?」
絶句させられたにも関わらず、まだ問いかけを試みる。
しかし…。
「え?これが自分の意思なんです」
…逆に、返り討ちに合うのだ。
頑固とかそういう域ではない。
恐らく、そういう人なんだと思う。
「…自分の意思?!…そんなわけっ」
なずなが何かを言いかけた、その時。
(…えっ!)
部屋全体に、ドンッ!と目に見えない圧がのし掛かる。
まるで、何か大きいものが落ちてきたかのように。
体にもピリッとした衝撃と、何かが乗っかってきたかのよくに、重力が増す。
それを感じたのは、俺だけではない。
「はっ!か、体が急に重くなったでやんす!あぁっ!」
「な、何だこりゃ!」
「…あっ!」
途端に、沙羅先輩のいるベッド下の魔法陣がバリバリと音を立てて、光り始めた。
電光を放っており、それはもう今までの比ではない。
「…ちっ」
その電光から逃れるように、なずなはそこから一歩退く。
体に掛かる圧を感じているのか、体勢が低くなっていた。