俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~

…と、大爆笑したい気分ではあるのだが。



笑い飛ばすことが出来ないぐらい、その『圧』を感じてしまう人物が、もう一人いた。



体が一際大きく…2メートルぐらいあるんじゃないだろうか。

この人は、他の中途半端な見てくれの連中とは違い、ちゃんとした人のカタチをしている。

顔も、俺達と変わらない人間の顔貌。

長い黒髪を靡かせ、頭には兜。

鳥連中と同じ鎧から露出された右手の肌が鱗に覆われているが、それ以外は全くの人のカタチだ。



しかし、細い瞳から覗く、暗紫の瞳が。

視界に入れている俺達に、一段と重い『圧』をかける。

その細い唇を開いた。



『…我が名は、雷帝…』



素人の俺でもわかる。

こいつ、ヤバい。

ただ者ではない…!



「雷帝…マジか…」



退いて、俺達の傍まで来ていたなずなが呟く。

その表情は、目を見開いていて…驚愕に満ち溢れていると、いえる。



「弓削先生…とんだヤツと取り引きを」

「…え?ヤバいヤツなのか?!」



木嶋さんの焦った声に、なずなは頷く。




「…魔界のNo.2の強さを誇る、雷帝だ…」



< 462 / 503 >

この作品をシェア

pagetop