俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
魔界のNo.2?
異世界には強さの順位を付ける何かしらのイベントがあるんだろうか。
天下一武闘会みたいな催しが…?
もしくは総選挙?
…いや、そんな冗談も言ってられない。
それぐらい、この雷帝とかいう男、恐らくヤバい。
目が、まるで死んだ魚のように生気が通ってない。
こっちの世界で言えば、ラリってキマってる感じだ…!(実際そんなのドラマの俳優の演技しか見てないので、想像)
『…人間どもよ…』
そのラリってキマってるヤツが、こっちを見て喋った。
目を合わせてはいけない。
本能がそう悟り、何となく視線を逸らす。
その発する『圧』は、引き続き体にのし掛かっていて。
肌がチリチリとする。
顔を上げれない…。
「…喋ったらダメだぞ。一言も」
横で木嶋さんがコソッと教えてくれる。
いや、教えて貰わなくても、喋りませんけど…。
すると、奴らの方角からガシャンガシャン!と音がした。
金属…?
ラリってキマった雷帝を見ないように、その方向へと目を向ける。