俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~
「しまった!逃げろ!…お嬢、何やってんだぁぁっ!もう!」
すると、逃げ惑う子分や木嶋さんや俺達の前に、なずなが背を向けて飛び込む。
「ナウマク・サンマンダ・ボダナン!マカ・ナーラ・ア・ビラ・ウンケン・ソワカ!ーー蓮華、曼陀羅陣っ!!」
随分早口の真言と、なずなの命により、突如として現すピンクのガラスの結界、蓮華曼陀羅陣。
いつものより、サイズが倍だ…!
バンッ!と、風の衝撃を受けて揺れる蓮華曼陀羅陣。
そのおかげで、攻撃を逃れ、吹っ飛ばされずに済んだが。
例の通り、なずなが筋肉番付のようにピンクのガラスに両掌を当てて、前に押し付ける。
「…逃げろみんな!木嶋、丸米、表で寝ている奴ら少しでも起こして地上に!」
「お、おう!」
しかし、風の渦、竜巻の威力は続いており、ますます捩れるばかりで。
それを抑える蓮華曼陀羅陣が、次第にカタカタと反り返って揺れ出す。
「くっ…!」
揺れる結界を支えるなずなの顔が、苦痛の表情になっていた。
風圧に押されて、徐々に後退させられている。
「…なずな!」